低AMHと鍼灸

結論から申し上げますと、鍼灸でAMHの値は改善しません。するという方もいるかもしれませんが、当院ではそのようなことは確認されておりません。なかなか卵が育たない状態も、自然と良くなるかというと困難です。

ただ、育つ卵の質には良い影響があるのではないかと思われます。なぜそうなるかという仕組みはよくわかりませんが、結果的に採卵できて今まで受精すらしなかったものが受精することになったり、最終的に妊娠出産となるケースは見受けられます。ただ、時間がかかるケースが多く、一年ほどは粘り強く取り組むことになります。

卵の質に関して鍼灸がどのように影響しているか、ということですが、骨盤の中の環境が改善しているのではということが推察されます。ミトコンドリアに良いとかいうのは実証されておりません。あくまでも推論でしょう。

骨盤の中の環境がどうなのかというと、想像するのですが、おへそから下や仙骨周辺に固いかたまりのようなものを触診で触れることが良くあります。母校の研究で「こり」の部分の組織を顕微鏡で観察したが健康な部分と何も変わりはなかったということがあったのですが、何らかの緊張が立体的に存在しているのではと推察されます。

低AMHの方は卵巣付近に広範囲の「こり」が見受けられることが多くあります。子宮内膜症や卵巣嚢腫などがある、もしくはあった方などはわかりやすく硬いです。

その「こり」の部分は大体婦人科や腸、泌尿器の症状に対応する経穴(つぼ)になっているケースが多く、そこに鍼灸を施術していくと、だんだんと柔らかくなっていきます。

手の圧を強くして沈めていくとひんやりしているケースが多いのですが、妊婦の方は服の上からでもわかるくらい暖かいです。触れた瞬間熱を持っているくらい暖かいです。

理想はそのような状態にしていくのですが、その過程の中で骨盤の中が暖かく柔らかいイメージになり、結果的に卵巣への血流の増加と温度の適度な上昇で細胞分裂の活性化がおこり、低AMHの方でもよい卵になっていくのではないかと考えられます。

低AMHの方は年齢によるものは仕方がない部分はありますが、そうでもない方に関しては、20代、30代前半にハードワークやとてつもないストレスを浴び続けた方が多いような傾向があります。

よくよく話を聞くと、体がボロボロになっていた、精神的に参っていたという方も少なくありません。

子宮卵巣に強烈なダメージを受けたのではないかと想像します。その名残がある身体全体に鍼をして、自律神経の調和や血流の改善といったこと、内臓全体にも血流を回し、体の緊張を取っていくという施術も行うことにより、より妊娠に近づく身体を作っていくことを目標として行きます。

ただ、正常なAMH値のひとより時間がかかりやすいことが問題ですが、焦らず行っていくことが肝心かと思われます。

困難な道ですが、応援しております。うまくいきますように。

福井市 不妊症 鍼灸 あけぼの鍼灸院

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